米国長期金利と大統領選

久しぶりに、通商連合の攻勢が入ったね。

年末の時と同じパターンで、

大きな材料が出たというよりは、

景気減速懸念とかいう漠然とした不安の巻き返しが報道されている。

 

振り返ってみると、この手のムーブメントは、以前に比べると

ここ1~2年は少なかったと思う。

おそらく、仮想通貨の隆盛により、FXの一般層が薄くなり

通商連合は、わざわざそのような小細工をしなくても、相場をコントロールできたからだと思うが、

最近になって、再びFXへの回帰が進んでおり、

相場全体が、再び大衆扇動型に戻りつつあるのだろう。

FXの主軸はドル円であり、そのドル円における

日本人の一般投資家の層は厚いので、通商連合にとっても無視できない存在のようである。

 

それでは

米国長期金利の動向について、確認してみようか。

 

 

巷では、長期金利が低下したと大騒ぎになっているが、

ざっと見た感じでは、1年前の水準に戻っただけ

まあ、米国議会選挙のために釣り上げた分が、正常化したとみることもできる。

もちろん、ニュースではそのような言い方はされておらず、

ひたすら、これはヤバいと危機を煽る形で、新発債に限定して2年ぶりであるとか、

わざわざ、普段は参照されていない指標を織り交ぜて報道している。

 

チャートの件に話を移すと

当面の下げのめどは2.25x、戻りのめどは2.78x付近だと思う。

ここで、この先、金利が下げていったとして

単純に円高かといえば、そのあたりは、そう単純でもないとしか言いようがない。

過去の事例をみても、長期金利が今より低くても、2016年などには、ドル円は平気で120円とかつけてきたわけで、そういったことも想定しておく必要がある。

チャートを見た感じでは、3と4のところに大きな傷があるから

これらは将来的には火種になる可能性がある。

俺の見立てでは、トランプ大統領がやる気を出した時には、スイッチ3であり、また、同じく、トランプ大統領がやる気を失った時にはスイッチ4なのではないだろうか。

これはすなわち、次期大統領選において、

現大統領が続投であれば、ドルは上昇することを示し

また、退任するのであれば、ドルは下落することを意味している。

ただ、意味しているといっても、世間一般のことは知りもせず、ただただ俺の中の話である。

そうだとすると、昨今の金利の低下は

大統領が、少しやる気をなくしてきていると世間がみている兆候と知ることもできる。そもそも、あの人物は、大統領職をそんなにやりたそうに見えたことはない。ただ、グローバル資本の言いなりになるようなオバマ的な方法論に対する反発から、大統領選に出馬しただけのようにも見える。

 

大統領が、ことあるごと、経済が失速した原因はFRBの利上げにあるとコメントしていることは、ある意味で正解だと思う。しかし、FRBにも正当な言い分はあることは否定しない。

実際に、経済が失速したかどうかの検証は、はっきりしたものではないが、金利が逆イールドになってしまう要因としては、そもそもが利上げしなければ、こうはならなかったといえるのではあるから、現在の金利状況を不景気と称するのであれば、その原因が利上げであるということはできる。しかし、そうではないのであれば、長期金利が下げたくらいのことで、株式が大きく下げる必要性はないことになる。ただ、実際には、株は下げているわけだから、その側面においては大統領の主張は正しいことになる。

俺の見たところでは、現状では金利が上げた方が好景気というような捉え方のようだが、それは名目金利だけをみた世界観であり、非常に危険な発想だと思っている。それは以前の記事で、金利平価理論について述べたと思う。現実には、金利上昇こそがもっとも大きな経済のリスク要因だと思う。

俺は、大統領がFRBを批判する度に、この人は辞めるんじゃないかな思ってしまう。それはFRB議長を任命したのは、他でもない大統領自身だからね。まあ、しかし、このまま無為無策のまま、グローバル資本主義(軍産複合体支配機構)に膝を屈することもしたくないだろうから、この後、追加の大型減税砲を発射する予定なのではないか。もちろん、議会の承認が必要になるから、そう簡単な作業ではない。それが上手くいけば、次期大統領選に出馬するだろうし、失敗すれば、すべてをFRBの失敗ということにして、自らも退場するのかもしれない。

 

この先の展開となると、どうだからか。

今の流れのまま、景気減速懸念が止まらないとすると

FRBとしては利上げはできないことになるから

大統領としては、景気低迷によってFRBを封じ込めておいてから

大規模な減税を発表して、株価の上昇を計るのが基本になるのではないか。

減税案については、議会の反対もあるとは思うが、

帝国の壁建設とは異なり、大衆向けの減税ともなれば

議会も反対ばかりはしていられないのではないだろうか。

そのような展開の場合には

為替は、まずは円高に振れ、しかるのちに、円安に振れることになる。


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